シリコンバレーにおけるスタートアップ事情 – 2017年10月版 –

By BTC 4週間 ago
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Disrupt SF 2017

2017年9月18日から20日まで、3日間にわたってTechCrunch Disrupt SF 2017がサンフランシスコで開催された。世界最大というだけあって5000人が参加し、日本からも大勢の方が参加されていた。内容は500startupのようなステートアップ系によるアイディアデモではなく、製品発表がメインで、最新技術動向の把握に向いている。

TechCrunch DisruptはTechCrunchが年に二度サンフランシスコとニューヨークで行うスタートアップや勢いのあるIT系企業のためのイベントである。最近では、日本でも開催されるようになるくらい盛況になってきており、チケット代は2,995ドル(約33万円)であり、高いと言われているシリコンバレーのチケットの中でも高い部類になる。そのためであろうか、席は満席で、トイレから帰ってくると席がなくなっているくらいであった。

開催場所は、サンフランシスコのイベント会場では定番になっている埠頭の倉庫、サンフランシスコ・ジャイアンツが本拠地に使っているAT&Tパーク(野球場)のそばにあるPier 48で開催された。ここに、一度に千人以上が入れるセッションホールと展示スペースが用意されていた。


(会場入口)


(会場外観)

(会場周辺:AT&TパークとSalesforceタワー)


展示スペースには、日本をはじめとして、アラブ、ブラジル、アルゼンチン、中国、韓国などさまざまな国と地域からパビリオンという形式で展示していた。



ファイアサイドチャット

Disruptの見どころは、TechCrunch創業者のMichael ArringtonやTechCrunchのスタッフがステージ上で著名ゲストスピーカに不躾な質問をぶつける「ファイアサイドチャット」であろう。肖像権があると思われるので、写真は掲載しないがKevin Durant(NBAのMVP)が司会者とツーショットシーンとか、Sebastian Thrun (Udacity)がペットを連れてくるあたりはアメリカ的である。オフィスにペットを連れてくることはアメリカでは珍しいことではないが、ゲストスピーカがつれてくることは珍しいようで、会場がどよめいていた。

多くのゲストスピーカのセッションがあったので、すべて掲載するとかなりの量になってしまうため、ここでは概略だけを記しておく。詳細に興味がある方は遠慮なく筆者に問い合わせてほしい。

Googleのセキュリティ責任者Heather Adkinsは、NSAの脅威について語り、ハッキング技術を取得すべきだとした。

Eyal Hertzog(Bancor Protocol)、Dan Morehead(Pantera Capital)、Jun Hasegawa (OmiseGO)がパネルディスカッションし、ICOはドットコムバブルよりも投機的だとした。

Moxie Marlinspike(Open Whisper System)

今はメッセージを暗号化している次のステップは監視だ。

Yuri Milner(DST Global)

消費者向けインターネットは、今後20年間でさらに10倍の価値が生まれる。人工知能や「飛行車」のような大規模な潜在的な変化を考慮するとさらに大きく飛躍する。

Vitalik Buterin(Ethereum)

Ethereumは、2〜3年でクレジットカードネットワークやゲームサーバーのようなものに取って代わる。

Brian Krzanich (Intel)

インテルはAIのスタートアップに10億ドル以上を投資したと発表した。

Steve Jurvetson (DFJ)

SpaceXの投資家は、トンネルの概念全体が変わると、トンネルははるかに小さくなり、掘り出しや相互接続やオーバーレイが容易になると語った。

Shasta Ventures

ARおよびVRアプリケーションの開発を加速する基金を開始したと発表

Luke Woods (Facebook)

音声検索のようなサービスは有望だ

Phil Keslin(Niantic Inc.)

PokémonGo開発者は、次のゲームはAR体験にオーディオを組み込むと語った。

Jenny Lee (GGV Capital)

Xiaomiは米国に来る必要はないと語った。

Giannandrea(Google)

GoogleのAIのトップは、人工知能という言葉自体が間違っている、誇大宣伝を生む温床だと語った。

Lisa Jackson (Apple)

EPA(Environmental Protection Agency; 環境保護庁)は変わらず、リーダーシップは変わったと語る。Lisa Jacksonはオバマ氏の最初の任期中にEPAの管理者を務め、トランプ政権が当局に大きな脅威をもたらしていると考えている。

Kevin Durant (Durant Company / Thirty Five Media)

ゴールデンステートウォリアーズのMVPは、シリコンバレーに住んでいることで良い投資家になれたと語った。

Anne Wojcicki (23andMe)

FDAと友好的に世界中の遺伝子研究を支援しながら、200万人以上の顧客の遺伝子を解析した。

Andrew Frame(Citizen)

犯罪追跡者追跡システムをサンフランシスコに拡大し、1200万ドルを調達すると発表した。

Sam Altman (Y Combinator)

ブロックチェーンを使って、誰もがスタートアップ投資に参加できるようになることを検討していると発表した。

Cindy Mi (VIPKID)

第二外国語として英語の主要プレーヤーになった経緯について語った。

Justin Kan (Atrium)

次世代の法律事務所を構築するためにテクノロジーがどのように使用されるかについて語った。

Balaji Srinivasan (21.co)

有料のメッセージングネットワークに加入させるためのトークンシステムを発表した。

Sarah Kunst (Proday)、Kim Malone Scott (Candor)、Hilary Gosher (Insight Venture Partners)によって、女性が嫌がらせや差別に立ち向かうようになった理由についてのパネルディカッションが行われた。

Craig Barry (Turner Sports)、Heather Garozzo (Team Dignitas Ltd.)、Stratton Sclavos (Vision Venture Partners)が、Eスポーツで、スタートアップとプレーヤーが同じように楽しく参加できる方法について語った。

Bozoma Saint John (Uber)

内紛に揺れるUberにCBO(チーフブランドオフィサー)として雇用されたBozoma Saint Johnは、経営陣のリーダーシップの変化によって、Uberの一般的な見方を変えると語った。


スタートアップ・バトルフィールド

スタートアップが集まり、DEMO Dayとかピッチと呼ばれるプレゼン大会をスタートアップ・バトルフィールドと呼んでいた。最終的には、無線充電のPiが優勝した。面白いところでは、鶏卵のうちに雄雌判定ができるとか、ガンを一度の検査でタイプを特定できるみたいなのがあった。

Index
https://indexapp.com/
デジタルコンテンツを整理するためのアプリ

Future Family
https://www.futurefamily.com/
男性の受胎能力テスト

Bridgefy
https://www.bridgefy.me/
インターネットが使えないところでもデバイス同士がネットワークを作って互いに通信

Nuada
http://nuada.pt/
手の動きを補助する手袋

Looxid Labs
http://looxidlabs.com/
脳波検査とVRを結びつけてコンテンツに対する反応、人間の感情を分析

BeeLine
https://www.beeline.com/
サイクリストのためのナビゲーションデバイス

Houzz
https://www.houzz.com/
家具をVRで置く

Ourotech
http://www.ourotech.ca/
がんのサブタイプを試行錯誤せずに特定できるヒドロゲルを開発した。

eggXYt
https://www.eggxyt.com/
卵の状態のときに雛の性別を判断できる

roots studio
https://rootsstudio.co/
世界の非先進地域の文化的に象徴的なアートワークを編集し、デジタル化し、販売

Materialize.X
http://www.materializex.com/
バイオ接着剤

AUGmedics
https://www.augmedics.com/
外科医が患者の解剖学的構造を見ながら、脊椎手術

Lilu
https://www.wearlilu.com/
ストレスのない授乳

Matic
https://maticinsurance.com/
最適な住宅保険の選択

OlfaGuard
https://www.olfaguard.com/
ナノテクで食べ物の安全性を分析

M8
http://www.meetm8.com/
人と人間関係のマッチメイキングプラットフォーム

Poshtel
https://poshtel.io/
輸送コンテナスイートの国際ネットワーク

Oneva
https://oneva.com/
子供と老人のためのケアサービス

Tomorrow
https://tomorrow.me/
生命保険計画サービス


まとめ

今回のイベントを通じて肌で感じたのは、IoT、AI、ビックデータといったバズワードがバズワードではなく、あたりまえのように利用されていることである。これらを使っていることは珍しいことではなく、もはや宣伝効果もない。一方で日本においては、まだ、バズワードとして生きており、弊社のみならず日本のIT業界は、IoT、AI、ビックデータなどを高度に扱えるエンジニアの育成およびビジネスモデルに落とし込んでいくソリューション提案能力をつけることが急務であると感じた。

■著者今野睦略歴

千葉大学修士課程を終了後、1986年から独立系SI会社や複数のベンチャー企業において取締役を務め、2016年9月弊社にインキュベーション事業部長として入社。黎明期のオブジェクト指向技術の普及に尽力し、先端技術の導入を得意としています。情報処理推進機構(IPA)ITスキル標準センタープロフェッショナル・コミュニティITアーキテクト委員。著書(監修、共著)六十数冊、雑誌への投稿多数。学術博士(Ph.D.)。

■株式会社ビッグツリーテクノロジー&コンサルティングについて

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<本件に関するお問い合わせ先>

株式会社ビッグツリーテクノロジー&コンサルティング インキュベーション事業部
TEL:03-5114-6171 FAX:03-5114-6172  Mailto:btcusa@bigtreetc.com

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