EV特化型カーシェアリングサービス「eemo(イーモ)」を開発・提供 BTCの優れたコンサルティング力とクラウドネイティブの高い開発力を評価

株式会社REXEV(レクシヴ)代表取締役社長 渡部健氏、取締役 盛次隆宏氏のお二人に、小田原・箱根エリアで展開しているEV特化型カーシェアリングサービス「eemo(イーモ)」のシステム開発を株式会社ビッグツリーテクノロジー&コンサルティング(BTC)に依頼した背景と成果について伺いました。

再生可能エネルギーとe-モビリティの活用で地域社会の課題解決を目指す
EV特化型カーシェアリングサービス「eemo(イーモ)」を開発・提供中

株式会社REXEV(レクシヴ)は、「再生可能エネルギーを利用したe-モビリティの普及」「自動運転技術を利用したe-モビリティによる新しい移動サービスの創造と普及」など、新たな技術を積極的に活用することで「すべての人の移動にかかるコストを限りなくゼロに近づけると共に、地域社会の課題解決に貢献する持続可能な社会インフラの実現」を目指しているスタートアップ企業です。
代表取締役社長の渡部健氏を始め、これまでエネルギー分野に携わってきたエキスパートが多く在籍しており、電気事業に関する知見とノウハウ、自治体や地域エネルギー会社とのネットワークを最大限に活かしながらe-モビリティの未来を切り開くべく活動しています。
現在はe-モビリティ(電気自動車、EV)を利用したカーシェアリング事業とエネルギーマネジメント(EMS)事業を柱としており、カーシェアリング事業は神奈川県小田原市・湘南電力株式会社・REXEVが共同で取り組む交通サービス「eemo(イーモ)」として2020年6月から提供しています。小田原・箱根エリアに特化していること、災害時などには地域の非常用電源としてEVを貸し出すことなどが大きな特長です。
渡部氏は、あえて都市部ではなく、地域の課題解決という視点で取り組んでいると話します。

「地方では、移動に関する課題は都市部よりも多くあります。移動に要するエネルギーを再生可能エネルギーにして地産地消で賄ったり、自動運転技術を使って人件費などのコストを低減させたりすることで移動手段の改善や地域社会の課題解決に貢献できればと思っています。
EVはまだ車種が少なく、価格も相対的に高いので、まずはシェアリングから始めてみようというのがeemoにつながる発想でした。移動手段としての価値に加えて、動いていないときに電気を別のことに利用できるエネルギー供給源としての価値があるので、それらを最大限に引き出すことに着目しています。」

起業からサービス提供開始まで1年ほどの短期間でシステムを開発
ビジョンや事業内容への深い理解と安心感からBTCへの依頼を決断

eemoはサービス提供に先立ち、2020年4月からテスト運用を行いました。同社が設立した2019年1月から1年ほどの短期間でサービスに必要な各種システムとアプリケーションを開発することとなり、開発ベンダーにも高い対応力が求められました。
渡部氏は、カーシェアリングのシステムについて経験がなく、不安もあったと話します。

「エネルギー分野はこれまでの経験から強みや独自色を打ち出しやすいと考えていましたが、カーシェアの部分は初めてでどうすればよいのか迷うこともありました。私たちの事業やビジョンの認知度が十分ではない状況からのスタートでしたから、単にシステムを作るだけでなく、目標に向かって共に歩めるパートナーのような存在を求めていたところもあったと思います。」

eemoのサービスを構成する基盤にはカーシェアリングとEMS各々のシステムが必要で、それらを連携させるなど複雑かつ難易度の高いプロジェクトになることはわかっていたと言います。同社は提案依頼書を複数の開発ベンダーに提示して提案を受けることとし、選定を経て株式会社ビッグツリーテクノロジー&コンサルティング(BTC)への依頼を決断しました。
株式会社REXEV取締役の盛次隆宏氏は、同社のビジネスに対する理解の深さと、そこから生まれる安心感がBTCを選定したポイントだったと話します。

「実際に複数のベンダー様からのご提案を拝見して、弊社のビジネスを含めてきちんと理解されていると感じたものは1~2社ほどでした。BTCの提案書は私たちにとっても逆に気付きを得られるほどレベルが高く、サービスの内容や目指す姿をわかってくれているという安心感がありました。
弊社はスタートアップ企業で資金面も余裕があるわけではないので、当初はコスト見合いで見積金額の低めなところに依頼できればいいと思っていました。BTCの見積もりは想定よりも高く、その点では迷ったのも確かです。しかし、eemoのシステムを構築するには中身をしっかり理解して開発できるベンダーでなければ難しいだろうと考えを改めてBTCに決めました。」

単なる開発ベンダーとしてではなくビジネスパートナーとして参画
コンサルティング力、クラウドネイティブの開発力を遺憾なく発揮

REXEVから提案を求められたBTCは、「できる限り早いサービスインの実現」「今後の継続的な拡張性の担保」などプロジェクトに求められている項目を速やかに把握し、REXEVの事業とビジョンを理解して課題を共に解決するという姿勢を打ち出しています。
株式会社ビックツリーテクノロジー&コンサルティング DX事業部 常務執行役員の鵜飼一夫氏は、今回のプロジェクトではBTCの強みであるコンサルティング力を十分に発揮できると話します。

「REXEV様と同じレベルには至らないまでも、やりたいことをしっかり理解して、同じ立ち位置で課題に向き合っていくことが重要と考えています。今回カーシェアリングのシステム構築を担当することになりましたが、eemoのサービス全体では複数のベンダーが参画する形になっているので、プロジェクト全体を確実にゴールに導く上で当社のコンサルティング力、マネジメント力は大きな強みです。
実は私たちも、カーシェアリングのサービスには知らないことが多くありました。そこで各社が提供しているカーシェアを利用し、経験を蓄積していろいろ分析するところから取り組んでいます。」

開発期間の短さや今後の拡張性を考慮して、BTCでは得意とするクラウドネイティブの開発体制を全面に押し出しています。株式会社ビッグツリーテクノロジー&コンサルティング DX事業部 シニアマネージャーの鈴木理氏は、今回のプロジェクトで意識したことを次のように話します。

「REXEV様の提案依頼書を拝見して、壮大な目標を持ち、夢に向かって進んでいるということを強く感じました。当社としてもeemoサービスの成功、REXEV様のビジネスの成長を支えるべく、システムを開発して納品したら完了ではなく、今後の事業の変化や拡大に柔軟に対応できる仕組みをきちんと作る必要があると考えました。
マネージドサービスを活用したクラウドネイティブの基盤構築、アプリケーションのコンテナ化といった当社が得意としている開発基盤と開発力を最大限に活かすことを心がけ、さまざまな自動化の仕組みをアーキテクチャとして盛り込むようにしています。社内のクラウド専門部門とも緊密に連携して、拡張性と可用性を担保できる基盤構築に臨みました。」

クラウドサービスとしては、サービスや導入実績の多さから、AWSの利用をご提案させていただきました。ベストプラクティスが豊富であることや技術支援が手厚いことも理由の一つでした。
システムは、Fargateを中心としたサーバレスアーキテクチャにすることで、柔軟性の確保と運用負荷の低減を図りました。また、Code系サービスを活用したCI/CDパイプラインを構築することで、頻繁なアプリの機能改修にも耐えうる構成としました。あるいは、Cognitoを用いたアプリケーションのセキュアなユーザ管理を実現したのもポイントの一つです。
このようにマネージドサービスを活用する事で、拡張性と可用性を担保できる基盤構築を実現しました。

複数ベンダーが関与するプロジェクトを主導して着実に進行
日々の業務に注力できる安心感もBTCに依頼した成果の1つ

今回のプロジェクトでは毎週2回ほどの定例会を設け、進捗の確認や関係者の意識合わせを綿密に行いながら進めました。盛次氏は、BTCとのやり取りを通して、eemoの目指す姿、課題と目的がより明確になったと言います。

「自分たちの中で、こういうものを作りたいという思いは当然ありましたが、BTCはその内容を噛み砕いてさまざまな工夫や提案をしてくれるので、改めて気付きにつながることが多かったですね。おかげで要件定義の段階でやりたいことがより明確になり、ブラッシュアップできたのはありがたかったです。
開発工程に進んでからも、各工程をステップに分けてプロジェクト全体を管理していただきました。BTCが主導的な立場で複数ベンダーのタスク、進捗、期日を常に把握していて、定例会で共有されるので安心してお任せできました。」

eemoが正式にサービスの提供を開始した後も定例会は続いています。スタートアップ企業として日々の業務が多岐にわたる中で、本プロジェクトに関する心配事が減ったことも成果であると、盛次氏はBTCの対応を高く評価しています。

「ベンダー選定の際にBTCの見積もりは高くて少し迷ったとお話ししましたが、これだけ充実した対応と成果の後では、金額に違わぬ実力があると実感しています。出来上がったシステムはしっかりしていますし、何より1人1人の人材のレベルも高いと感じます。もし自分たちがシステム開発やプロジェクト管理を業務として他社に提供するなら、このようにしなければいけないという良い手本を示していただいている印象ですね。」

ユーザが利用するアプリケーションも使いやすいと高評価
EVならではの新たな価値を提供するサービスの成長と進化を目指す

eemoのユーザ登録や車両の予約などで用いるアプリケーションも、BTCがインターフェイス(UI・UX)の設計・デザインと開発を担当しました。eemoの利用者からは好評と渡部氏は話します。

「利用者の皆様からは、予約しやすい、わかりやすい、簡単だった、と良い評価をいただいています。会員登録やクレジットカード決済の設定など、手順が増え気味な部分をもっと簡単にできれば、さらに使い勝手が良くなるでしょう。」

eemoアプリの画面eemoアプリの画面

カーステーションの開発と設置は2019年に完了しており、2020年7月時点で22台のEVを配備しています。2020年のコロナ禍の影響で利用動向は当初の予想とは異なっているものの、平日のビジネス利用を中心に法人会員の増加や新たなニーズも出てきているとのことです。
システム面では、実運用に堪える基盤を短期間で構築できたことを評価すると共に、今後に向けた検討も進めていると盛次氏は話します。

「予定通りサービスを開始できるようにプラットフォームを開発できたのは何よりです。今は最低限の機能を備えた状態なので、これから利用者を増やしていくための機能追加や、私たちの世界観に近づけていくプラスαの取り組みを進めていきます。BTCと一緒に新たなシステムを作りながら、お互いが成長していく良い関係を保っていきたいと思っています。」

渡部氏は、EVならではの価値をより理解してもらえるよう積極的に取り組むと意気込みを見せています。BTCにはシステム面、テクノロジー面の支援だけでなく、新たな価値の創出を共に目指すパートナーとして期待を寄せています。

「利用されるお客様に再生可能エネルギーを使ったEVだからこその良さを体験していただけるように、eemoのサービスを作り上げていくことが当面の目標です。
もっと便利に使える、ユーザビリティに優れたサービスにしていくためにも、新しい機能やテクノロジーのキャッチアップは継続していく必要があります。BTCには、ぜひそうした部分で支援をお願いしたいですね。システム開発や運用保守はもとより、ビジネス面でもコンサルティング力を発揮していただいて、私たちとは異なる視点からのご提案にも期待しています。」

※記載されている会社名、製品名等は一般に各社の登録商標または商標です。
※事例に記載された社名・部署名等の情報は取材当時のものです。閲覧時点には変更されている可能性があることをご了承ください。
・取材:2020年7月


左からBTC鈴木氏、REXEV渡部氏、REXEV盛次氏、BTC鵜飼氏


株式会社REXEV
代表取締役社長
渡部 健 氏


株式会社REXEV
取締役
盛次 隆宏 氏


株式会社REXEV(レクシヴ)

本店:東京都千代田区神田淡路町1-9-5 天翔御茶ノ水ビル507
本社:神奈川県小田原市寿町一丁目1番12号
URL:https://rexev.co.jp/

設立:2019年1月23日
資本金:245,000,000円
事業内容:
・e-モビリティに特化したカーシェアリング事業
・e-モビリティシェアリング事業に必要となるシステム等の開発および提供
・エネルギーマネジメント事業
・エネルギーリソースアグリゲーション事業
・主に地域新電力のコンサルティングや業務委託(常駐型含む)

EV特化型カーシェアリングサービス「eemo(イーモ)」
https://www.eemo-share.jp/

BTCは多くのAWS構築、移行、コンサルティングの実績が認められ、アドバンスドレベルのコンサルティングパートナーに認定されています。最新情報を活用したアーキテクチャのご提案によりお客様のビジネス展開の支援を行なっていきます。