2022年9月5日(月)~7日(水)に開催された、情報処理学会 ソフトウェア工学研究会の主催する「ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2022」(以下、SES2022)にて、
当社マネージャーの青山弦太が企業・ポスター賞を受賞いたしました。
※本発表ポスターおよび同シンポジウムに投稿した論文は、東洋大学経営学部の野中 誠教授と共同執筆させていただきました。
企業・ポスター賞はSES2022の参加者投票によって決められる賞になります。
◆題名:
柔軟さを備えたデータ駆動プロジェクト運営を実現するソフトウェア開発・分析基盤 BTC Codebase
https://ses.sigse.jp/2022/(外部サイトにリンクします)
◆発表概要:
データ駆動のプロジェクト運営をソフトウェア開発組織に定着させるには、開発チームが自ら必要とするメトリクスやツールを自律的に選択できるプロジェクトレベルでの柔軟さと、管理者が複数プロジェクトを俯瞰する組織レベルでの統制の両方を実現することが望ましいです。
筆者らは、これら二つの要求を満たすことを目的としたソフトウェア開発・データ分析基盤 BTC Codebase を構築し、実際に運用しています。
プロジェクトレベルの柔軟さのために、開発の過程で生じる様々なデータをそのままの形式で格納するデータレイクを基盤としています。
また、組織レベルでの統制のために、GQM(Goal, Question, Metric)に基づく標準的なチケット運営を導入し、これをデータレイクに統合しています。
筆者らの組織の BTC Codebase 利用者にインタビューを行った結果、プロジェクトレベルでの柔軟さと組織レベルでの統制の両方が実現できていることを確認できました。
また、データ駆動のプロジェクト運営により、第三者品質保証による問題の早期発見がしやすくなったことも確認できました。
https://www.bigtreetc.com/codebase/
ポスター発表の現場では、SES2022のビジョン・コンセプトにも含まれる「ソフトウェア社会における産業発展への貢献」「実践する」に対して、
データ駆動のプロジェクト運営を実プロジェクトへ定着させる、産業における実践的な内容が好評を頂きました。
◆ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2022 について
当シンポジウムは、情報処理学会 ソフトウェア工学研究会が主催しているイベントです。
情報処理学会ソフトウェア工学研究会では、1995年度から2003年度にかけオブジェクト指向シンポジウムを開催し、オブジェクト指向技術を中心に研究開発と実践の交流の場を提供してきました。
2006年には、ソフトウェアエンジニアリング全般に対する社会的ニーズの高まりに応じるために、シンポジウム名を「ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム」と改め、より広い領域の研究者・実務者が集う場として開催しました。
同シンポジウムは、その後も毎年実施され、近年における国内最重要なソフトウェアエンジニアリング研究発表の場の一つとなっています。