和田卓人氏を招聘して「プログラマのキャリア戦略」に関するセミナーを開催

2021.03.03 News

2021年2月22日(月)に、日本のテスト駆動開発の第一人者でありプログラマでもある和田卓人氏を講師に迎えて、プログラマとしてのキャリア戦略をテーマにした社員向けのセミナーを開催しました。

(オンライン研修の講演の様子)

本研修では、和田氏自身のキャリアの中で得られた経験などをとおして、やさしく解説していただきました。

講演の中で、参加者のチャットで質問を募り、時々和田氏がそれを確認しながらインタラクティブに研修を進めていただきました。

講演ではご自身が翻訳された「プログラマが知るべき97のこと」とそこで一番引用されている「達人プログラマー」を引き合いに出して継続的に学び続けること、学び方を学ぶことを説明してくださいました。

学びのメカニズムの話しから始まり、効果的な技術書の読み方、アウトプットをすることと話しは進んでいきました。

中でも、「毎年少なくとも言語を1つ学習する」と「Write Code Every Day」は個人的に衝撃を受けました。

和田氏はたくさんの本の紹介を通して技術の歴史と移り変わりの関係を説明してくださった上で未来の技術の予測の仕方とそれに伴うスキルセットの習得の話しに進み、若手向けには「スキルセットの柱を3本立てる」というメッセージを、ベテランエンジニア向けには「若手から学ぶ」「アンラーニング」というメッセージを出してくださいました。

また、和田氏が企画・運営に関わっていらっしゃるTDD Boot Campの基調講演でのライブコーディングを例に挙げ、ハイリスク・ハイリターンな講演のアプローチとしてご紹介頂きました。

※写真左から プログラマが知るべき97のこと(オライリージャパン), 達人プログラマー新装版(オーム社)

 

●講演後のQ&Aも大盛況でした

講演後にQ&Aの時間を用意していたのですが、若手からベテランまで積極的に質問が飛び交いオンライン開催にもかかわらず非常に活気のある研修となりました。講師の和田氏には、ひとつひとつの質問にフランクかつ丁寧に回答していただきました。本当にどうもありがとうございました。

●おわりに

研修の最後に「グリーンバンド」についての質問がありました。

これはテスト駆動開発の実践者であることで有名なボブおじさんことRobert C.Martin氏が「テストを書くのに辛くなる時がある。そんな時左手のグリーンバンドに書かれている”Acts As Professional”を見て士気を高めている」の逸話を聞いた日本のテスト駆動開発のコミュニティがそれを真似してグリーンバンドを左手にはめて頑張っているとの説明があり私は感銘を受けました。

■講師情報

和田 卓人(わだ たくと)プログラマ、テスト駆動開発者

NTTコミュニケーションズ技術顧問、リクルートテクノロジーズ技術顧問、ピクスタ技術顧問

学生時代にソフトウェア工学を学び、オブジェクト指向分析/設計に傾倒。執筆活動や講演、ハンズオンイベントなどを通じてテスト駆動開発を広めようと努力している。 『プログラマが知るべき97のこと』(オライリージャパン、2010)監修。『SQLアンチパターン』(オライリージャパン、2013)監訳。『テスト駆動開発』(オーム社、2017)翻訳。『Engineers in VOYAGE』(ラムダノート、2020)編者。テストライブラリ power-assert-js 作者。

Twitter: t_wada
GitHub: twada

■参考資料

【技術選定の審美眼 デブサミ2018】

【過去を知り、未来に備える技術選定の審美眼 2019】

【TDD Boot Camp 2020 Online #1 基調講演/ライブコーディング】
https://www.youtube.com/watch?v=Q-FJ3XmFlT8

 

筆者:寺島 秀樹(DX事業部)